アゴラの特徴

ゼミ形式の基本的考え方 ~「じ・り・つ」のために~

一斉授業とゼミ形式授業の違い

一斉授業スタイル

右上がりの直線的イメージ右上がりの直線的イメージ

「積み上げていけば必ず満点が取れる」という仮説。或いは幻想。
点(知識)を積み上げる作業は学習の最初期には必要ですが、知識をつなげて線とし更に面としてあらゆる問題に対して発想・着想する素地が本来は要求されます。その点で、方法を間違えると練習のための練習になる可能性もあり、本番で思うように得点できないことにもなりかねません。

ゼミ形式授業

水面の石の波紋が広がるイメージ

学習を最初から面で行うということです。石はゼミで提供する素材です。波紋を追いかける様が、まさに生徒の好奇心の広がりです。それら広がりの空間の積み重ねが生徒の「じ・り・つ」につながります。早い生徒であれば三ヶ月もしないうちに自分の勉強法得てゼミから巣立ちます。授業という枠で拘束される限り「じ・り・つ」への道は遠いと言わざるを得ません。


一斉授業について

ⅰ 一般的一斉授業の特徴

先生がカリキュラムに沿った今日の授業をシラバスにのっとって進めていきます。

  1. カリキュラム(curriculum)とは簡単に言うと年間計画のことで、これがないと限られた期間での到達目標が明確にできません。通常、一年間で前期12講、後期12講、その他夏期講習・冬期講習・直前講習などのオプション講座もいれて、年間30講前後を生徒に提供します。
  2. シラバス(syllabus)とはその日の授業をどう進めるか。時間内で授業内容を効率的に伝えるための具体的な授業計画です。さきのカリキュラムに連動して生徒に「何を・いつ・いかに伝えるか」が授業システムの根幹になります。

ⅱ 理想の一斉授業

  1. 対象とする生徒の層が一定であるということ。
  2. 「何を・いつ・いかに伝えるか」がその対象とする生徒の層に適合していること。
  3. 講師が生徒のモチベーションを高いレベルで保持する授業力を有していること。

上記条件のもと「授業に参加した全ての生徒が知的好奇心を刺激され、自発的な学習姿勢を形成する」きっかけとなります。

ⅲ 期待される効果

生徒は「じ・り・つ」(「自立」「自律」)した受験生として

  1. 学校授業の有意性の再認識
  2. 教科の枠を超えた情報収集力(例えば遺伝子操作に関しての国語の問題を解く中で、生物に関しての新たな知識の獲得。。。国家レベルでの政策の問題点の指摘。。。)など、
  3. 一(いち)に拘束されない多方面へのシナジー効果

などが期待されます。

ⅳ 一斉授業~その形態ゆえの欠点~

  1. カリキュラムが生徒個人(一人ひとり)に対応し得るのか。
  2. シラバスに融通(生徒の反応や心理状態によって「いかに伝えるか」にバリエーション)があるか。
  3. 講師が生徒に教え過ぎ・干渉し過ぎて特異な依存関係から生徒の無力化(「自立」「自律」の阻害)を生み出さないか。

などなどです。


ゼミ形式授業について

ⅰ 国語の視点からゼミを考える

  1. 国語という母国語を相手にしているわけですから、「わかったつもり」で適当に流して、実は解っていない。ということもままあります。
  2. 人の目は横の動きには強いのですが縦の動きにはからっきし弱いという特徴です。つまり横書きで書かれた論理的文章(例えば英語)は理解しやすいが、縦書きの文章では「全体を眺める運動としての読み」に弱点がある。ということです。ですから縦書きの国語はまず「視る」訓練からはじめて「読み」→「解く」という順番が大切になってきます。

これら、「授業」そして「国語」の特徴をふまえ、生徒の学力向上に資すると考えて作られたのがゼミ形式(答練会)のシステムです。

ⅱ ゼミ形式授業の特徴

ゼミで行われることは単純なことです。問題を解いて正答の場合、解答の道筋を出来なかった生徒に説明する。のも一つです。たったそれだけのことでなぜ国語力がついていくのか。秘密は「説明する」というところにあります。いわゆる「プレゼンテーション」を短い時間で行う。からなんです。考えてもらったらわかりますが、「どう伝えたら理解してもらえるか」を短い時間で考え言葉で説明する。相手の反応も気になるでしょう。時には説明を止めて伝える側の理解の確認をしたりします。その時、脳の中では猛烈な勢いで電気信号が飛び交っているでしょう。自分の説明によって相手が理解したときの快感は、何よりも実態にもとづいた自信へとつながっていきます。

このように「考える経験」の蓄積を第一義としてゼミは成り立っています。

ⅲ 国語ゼミの具体的説明

科目は評論文・古文を中心に、小説・漢文を適宜行っていきます。生徒に提供する素材としては、

  1. 基本ツール解説書(問題に対する上での基本的な考え方)
  2. 過去の入試問題(記述+客観式)

出題意図が明確でかつ解答根拠に整合性が保たれている問題を解くことで

  1. ポイントとなる箇所とそうでないところを読み分ける(「視る」練習)ことで速読力の養成になる。
  2. 文脈把握(全体把握の運動としての読み)の格好の材料となる。
  3. 出題者の設問意図を探る訓練になる。

進め方は「生徒主体で必要なものだけを必要な分行う。」というわけで

三つのポイントを連携して国語力の質の向上を目指していきます

上の三つのポイントを連携して国語力の質の向上を目指していきます。この空間は考え方をディスカッションすることで各自の「考える力」「表現する力」の向上を図ることが目的ですのでメンバー仲良くが大事です。とりあえずサロン感覚で楽しく、α波が出やすい空間作りをともに行っていきましょう。